ビストロファソン

元電力マンが旭川で営むフランス料理、ビストロファソン

賄い

料理店の食事。賄い

早くて安くて旨いそんなイメージでしょうか?(^-^)

しかし、厳しい修業時代の賜物であることを忘れてはいけない料理です。

そんな賄いのを少し紹介したいと思います。

このブログが、ご家庭の冷蔵庫の残り物の活用に一役買えば幸いです。

ちなみに、賄い担当はビストロファソンオーナーシェフ。シェフ自ら(・_・;)

料理人は私一人ですから仕方ありません(*^▽^*)

 

当店の賄いは2~3人前の少数。

お客様に提供出来ない、肉のスジや小間切れ、魚のアラ、野菜の切れ端などを利用。

また、安くて美味しい食材を探して活用する2パターン

しかし、魚のアラでだしを取ることもしばしば賄いに使う事の方が少ないかもしれません。活躍するのは野菜の切れ端、常時20種類はあるでしょうか。皮や根まで利用してジュースを作っています。(*^▽^*)

 

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 3月24日の賄い (タコの皮の炊き込み御飯)

マリネに使用した後のタコの皮を利用した品。

タコの皮、大根の皮、人参の皮、キノコ、ゴボウの切れ端、前日の残りのひじきの煮物を生姜と醤油、酒で炊き込んだもの調理時間15分。1人前約40円。

ポイント①タコの皮と大根の皮は、炊き込む前に湯通しすること。中に入れる具材は冷蔵庫の残り物でOK。きまりはありません。

 

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3分蒸らして、料理店らしく刻んだゆずの皮と菜の花の葉の部分と白ごまを混ぜて出来上がり。

ポイント②ゆずの皮を多めに入れると香りが豊かで、食欲をそそります。

 

美味しくいただきました。(*^▽^*)

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3月25日の賄い (野菜ゴロゴロカレー)

賄いといえばカレーというほど見習いの時にはよく作りましたし、香辛料をブレンドするなど本格的に勉強させられたものです。しかし今は、市販のルーとその日の野菜の切れ端や肉の小間切れで作っています。この日の野菜はスナップエンドウ、赤ピーマン、黄ピーマン、アスパラ、玉ねぎ、ズッキーニ、カブ、菜の花、ロマネスコ、ナス鶏むねのハムを成型するときに出た端肉と賄いでは定番の豚挽き肉が入ったカレーです。

時には20種類くらいの野菜が入ることも。この一皿で1日の野菜の摂取量は十分!

調理時間15分。1人前約45円。

ポイント①カブやカボチャ、芋などは溶けるため野菜嫌いの子どももOK!色々な野菜を入れても大丈夫なので、冷蔵庫の食品の整理におすすめです。

ポイント②当店では野菜のポタージュなどの残りもカレーに変身させます。カレーの角が取れ、一味違ったカレーが味わえます。野菜の甘みがあるため、またまた子どもにもおすすめです。

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3月26日の賄い 人参のポタージュのパスタ)

本日も使用した野菜は切れ端と鶏肉のハムを成型した時に出た端肉と残り物の人参のポタージュ。香りづけにタイムを一振り。調理時間7分。1人前約30円。

ポイント①ポタージュはカボチャ人参などが適しています。生クリームを入れると本格的な味になります。残念ながら賄いなので生クリームは省略しました(:_;)

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今話題のベジブロス。2年前から飲んでいます。

色々な野菜の皮や根、芯などを大量に入れ作っています。エコです。

水から30分煮だし、こして出来上がり。

元電力マンのうんちく。食材のくずなどは、バイオマス発電でも利用しています。バイオマス発電とバイオガス発電は違います。前者は食材のくずなどを燃料とし、蒸気でタービンを回して発電する方式です。後者は、食材のくずからメタンガスを作りそのガスで蒸気を作りタービンを回し、発電する方式です。

 

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3月23日の賄い (メンチカツライス)

本日の賄いは、メンチカツライス。当店のオリジナルです。元々は、旭川の食のイベント、食べマルシェのために考案したものです。5分で閃きました。豚肉のミンチで味付けした調理米を包んで揚げたものです。食べマルシェでは3日間でMAX2100個完売しました。当初はカレー味ケチャップ味クリームチーズ味の3種類だけでしたが、出店を続けるうちにトリプルミックス味、フォアグラ醤油バター味、塩昆布おかか味、ゆかり味を開発してきました。残念ながら当店のメニューにはなく、イベントのみの販売となっております。今回は懐かしく、クリームチーズ味とカレー味を賄いで作ってみました。久しぶりで美味しかったなぁ。調理時間は1時間半。

ポイント①クリームチーズ味で使うベシャメルソースの作り方、牛乳は温めたものを少しずつ入れ十分に粉と混ぜ合わせること。最初の1回目が肝心です。粉は薄力粉でも強力粉でも大丈夫ですが、薄力粉を使えば緩いソース、強力粉を使えば固いソースとなります。

 

料理人となり、数えられないほどの賄いを作り、食べてきました。日々の賄いには食材を無駄にしない知恵や時間を有効に活用するが詰まっております。賄いという料理が家庭の食卓に花を添えられるヒントになれば大変、うれしく思います。

賄いのテーマはこのあとも定期的に連載していきます。